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月別アーカイブ: 2025年7月

第12回ダクト工事雑学講座

皆さんこんにちは!

株式会社湊工業、更新担当の中西です。

 

さて今回は

~経済的役割~

ということで、換気工事がどのように日本の経済活動に貢献しているかを多角的に考察します。

 

「換気」は、健康や快適性に欠かせない生活要素でありながら、かつては建築設備の中でも“影の存在”でした。しかし、感染症対策・省エネ・環境対応などが重視される現代では、換気設備工事が果たす経済的役割が再評価されています。


1. 建築設備市場の重要な構成要素

換気設備工事は、空調・電気・給排水と並ぶ建築設備工事の中核分野です。

  • 住宅・商業施設・工場・学校・病院などあらゆる建物で不可欠な要素

  • 新築・改修市場における設備費の中で一定のシェアを占有

  • BIM対応などによる技術高度化が専門人材の価値を引き上げ

建築投資が活発なエリアでは、換気設備も確実に発注され、施工関連企業の業績安定化に寄与します。


2. 雇用創出と専門技能の経済的価値

換気設備の設計・施工・メンテナンスには専門性が求められるため、人材雇用と技能継承の現場でもあります。

  • 設備設計士・ダクト工・メンテナンス技術者などの職種を支える

  • 技能実習制度・職業訓練校と連動した技能者の育成

  • 地域密着の施工業者を中心に安定雇用が見込まれる業種

特に中小企業の基幹産業として、地域経済における持続的な雇用を支えています。


3. 製造業・流通業との連動による波及効果

換気設備工事が扱う製品や部材は、多くの関連産業とつながっています。

  • ファン、モーター、ダクト、フィルターなどの製造業界

  • 物流・保管・組立加工業者の稼働率向上

  • 高機能製品(熱交換型・省電力型など)の開発が技術革新を牽引

これにより、設備工事一件ごとに多くの経済プレイヤーが関与し、裾野の広い産業構造が形成されています。


4. 健康・安全関連市場との接点

換気は「空気の質」に直結し、健康や衛生、安全を支えるインフラでもあります。

  • 医療施設や福祉施設の空気環境整備

  • 感染症対策のための高性能換気装置の需要増

  • 学校や保育所におけるCO₂濃度管理の義務化と設備投資

これらの取り組みは国の補助金制度や予算事業ともリンクしており、公的資金の投資先としても注目されています。


5. 脱炭素・省エネ社会に向けた経済価値

換気設備は、省エネ化・脱炭素化への転換点としても重要です。

  • 熱交換換気ユニットの普及で空調エネルギーのロスを抑制

  • ZEH(ゼロエネルギーハウス)、ZEB(ゼロエネルギービル)への必須要素

  • 国際基準やカーボンクレジット市場との連動も今後期待される分野

環境技術投資の対象として、気候変動対策と経済活動を両立させるインフラといえるでしょう。


換気設備工事は、私たちが気づかないところで、快適さ・健康・生産性・省エネといった価値を提供し続けています。その裏には、広範な産業とのつながり、人材の流動性、設備投資の循環があり、日本経済の現場力を支える“静かなエンジン”とも言える存在です。これからの換気工事は、ただの「空気の入れ替え」ではなく、「未来の経済空間」を設計する仕事へと進化していくでしょう。

 

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第11回ダクト工事雑学講座

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さて今回は

~多様化~

ということで、換気設備工事における多様化について、技術、設計、施工、社会的背景の視点から詳しく解説します。

 

私たちが日々暮らす空間の“空気の質”を支える換気設備。その重要性は、COVID-19をきっかけに社会的にも広く認識されるようになりました。現在では住宅から商業施設、医療・産業施設に至るまで、さまざまなニーズに応じた換気設備工事が求められています。


1. 換気の役割の再定義 ― 健康と快適性を支える基盤

従来、換気設備は“臭いや湿気の排出”が主な目的とされてきましたが、現在では以下のように機能が多層化しています。

  • ウイルス・菌・微粒子の除去

  • 二酸化炭素濃度の管理による集中力・作業効率の維持

  • 住宅や建物の長寿命化(結露・カビ対策)

  • 高齢者や子どもの健康維持のための空気環境管理

こうした新たな目的の登場により、換気工事の内容も大きく変化しています。


2. 建物・用途別の換気工事の多様化

  • 住宅用換気:第1種(機械給排気)、第2種、第3種と選択肢が広がる。高気密住宅では全熱交換器の導入が主流に。

  • オフィス・店舗:省エネと快適性のバランス、天井埋込型や個別制御型も普及。

  • 医療・福祉施設:陰圧室、HEPAフィルター、ゾーン分け対応など、感染症対策としての高度換気設計。

  • 工場・研究施設:排気・給気の同時管理、有害物質の局所排気設備が必須。

用途ごとに求められる性能や法規制も異なるため、柔軟で高度な施工設計が求められます。


3. 技術の多様化と高度化 ― 換気のスマート化へ

  • CO₂センサー連動換気システム:室内人数に応じて自動制御。

  • 熱交換型換気システム:冬季の熱損失を抑え、省エネと快適性を両立。

  • ダクトレス換気ユニットの普及:小規模空間やリフォーム向けに施工の柔軟性が高い。

  • BIM(建築情報モデリング)対応設計:空調・配管・構造との干渉確認を効率化。

これらの技術は、換気を“目に見えない設備”から“制御可能な資産”へと進化させています。


4. 建築との融合 ― デザイン性・省スペース・メンテナンス性の配慮

現代の換気設備工事では、以下の点も重視されています。

  • 外観や内装と調和するデザイン性(グリルの意匠・配置)

  • 点検口の配置やメンテナンスのしやすさの考慮

  • 狭小住宅やリノベーション建築への省スペース設計

換気の「機能美」が求められる時代へと移行しています。


5. 災害対応・環境配慮との統合

  • 災害時の非常用換気ルート確保(停電時換気、手動操作系統)

  • PM2.5や黄砂、花粉対応フィルターの標準化

  • 再生可能エネルギーとの連動(太陽光+換気ファン制御)

社会的課題や環境意識の高まりにより、換気工事の設計思想自体も変わりつつあります。


かつては「目立たない設備」とされてきた換気設備。しかし現代では、健康・省エネ・防災・快適性すべてに関わる重要なインフラとして、その設計と施工はますます多様化・高度化しています。私たちの暮らしを“見えない空気”の面から支える換気設備工事は、今後も建築や都市環境の未来と共に進化し続けることでしょう。

 

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